DENアーキテクツ一級建築士事務所
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たった一つの空間

たった一つの空間とは、思い描いている自分なりの理想の空間のことですが現実にはなかなか思い描いているようにはいかないのが家造りです。

それは思ったような土地が購入できるかからはじまって、家族に理想のプランができるか、自分の夢がどこまで反映させられるか、資金的にはどうかなどあまりにも多い条件をクリアしなければならないからです。

すべてを実現しようとしてもその条件の一つ一つが相反する事もあります。

そこは自分で選択しなければならない場合も有ります。時にはリスクの選択を選ぶ必要が有るかもしれません。

問題を理解して進めばいままでのこだわりの間違いに気付く場合も有れば、どうしても必要な事ややりたい事への順位の整理ができる場合も有ります。

住宅は造っているときだけがすべてではありません。人の成長や住環境・仕事環境で考えを大きく変えなければならないことも有ります。そんな問題を真剣に考える事にこそ家造りの本質が有るのではないでしょうか。そして出来た家にこそたった一つの空間ができるのです。

鎌倉山 K邸

鎌倉山に住む事。これは湘南では一つの夢です。多くの文人・芸術家・政治家・有名人がこぞって住んでいる場所です。

眼下には鎌倉から湘南海岸を見渡し、遠くは大島までが広がる緑多い住宅値です。市街化調整区域も多く存在することや起伏が多いので、なかなか平らな場所が有りません。この敷地も道路から裏までは傾斜が続きます。

一部平ですが、隣地のレベルはすべて違います。玄関は家の下をくぐって斜面を登ったところに有ります。

正面のデッキにつながるリビングと書斎スペース。

手前にはダイニング部分とキッチンがほぼ一体となる大胆なプラン。

床は600角のタイル貼り、このタイルの質感が皮、眠り目地で施工してあります。職人さんは大変だったでしょうが、できあがりは思った以上のものとなりました。

こんな部分に建主さんのこだわりと決断が有りますが、とても良い結果となりました。

ソファーを置いてもかなり余裕が有ります。春には正面の桜がとてもきれいです。

前面道路はかなり車の往来が有るのですが、ワンフロア分上がったところですので、気になりません。正面はほぼ全面開放していますが、遮るものは無く天気の良い日は緑越しに海が見えます。

書斎スペースは壁一面に本や雑誌が収納できるように造り付けた棚と高所収納用にスライドできるスチール製のはしごを設置しました。

棚下にはフラット型のライトが埋め込まれているため、カウンターで作業していても、十分な照明を得ることができます。

またこのコーナーの部分は吹き抜けていて、縦の広がりも感じさせるプランとなっています。

吹き抜け部分からデッキ越しに自宅の外観の一部を見ることができると、さらに広がりを感じさせることができます。

造り付棚の照明です。

最近はいろいろな照明器具が有りますが、これはフラット型の蛍光灯で厚みも2センチ足らずですので棚に埋め込みが容易です。

特殊なLEDはまだ高いのですが、これ1灯で白熱灯40W相当ですので以外に便利です。

リビングに続く玄関もできるだけオープンなスタイルとしています。

裏庭に続くサンルーム。

前面が道路に面してレベルが高いため手に取る緑は裏庭で感じる事ができるように設けて有ります。

キッチンの横ですので使い勝手の良いプライベートなスペースです。

ダイニングとキッチン部分です。

ダイニングの壁面部分はこの大きさで一枚の大理石を使用して石目が通るようにしています。

同じ石をキッチンやカウンターにも使用しているために統一感がでています。

キッチンカウンターにも一部使用していますが、カウンター用に仕上げした集成材より安価だったのにはちょっと驚きました。

ダイニングからキッチンの裏庭を眺めています。

これだけ大きな開口部と間仕切りの少ないプランニングですが、エコポイントを取ることのできる建物の仕様となっていて、見た目以上に過ごしやすい空間となっています。

キッチンはオーダーで制作しています。

株式会社ルーツ製30年はつきあっているでしょうか。

会社名は変わっていますがオーダーキッチンの草分けの方達が携わっている会社です。

夜はぐっと雰囲気がでます。

キッチンはゆったりと造っているので、余計なものはすべてカウンター下に収納することができます。目線の上には外を眺められる窓のみ設けてあります。

家具と一体となったキッチンは、オープンでも家に溶け込んだ存在とすることができるのです。

洗面室と浴室は強化ガラスで仕切られた一体的なスペースとしています。

広々とホテル感覚で外の緑を眺めながら時間を過ごすことができれば、明日への活力となるでしょう。

階段室はロフトへの入り口でもあります。

各部屋入り口にはオレンジのレザー調仕上のドアを採用することでちょっと派手ですが嫌味のない奥行きを感じさせることができました。

2階はプライベートルームが中心です。

床の仕上げには最近あまり使用しないじゅうたんを選択していますが、やはり暖かく気持ちが良い仕上げです。

大切にしている家への想いを一つづつ実現するためには大変な労力が必要となりますが、人任せにしないで積極的に設計に参加することで手に入れる家はだれも手に入れることのできない家族のためのただ一つの空間なのです。

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